韓国の取引先の担当者からキムチをもらった。空港やデパートで売っているおみやげ用ではなく、彼の奥さんが作ったキムチである。
こうした心づかいは珍しくない。ぼくが大のキムチ好きだと知っている他社の担当さんからも手作りキムチをいただくことが多い。やっぱり、口に合う合わないがあるのはいたし方ない。
たとえ口には合わなくても、ぼくはありがたくいただくことにしている。その家の伝統と真心を思えば、「口に合わない」などという表現そのものが不謹慎きわまりない。
奥さんが家族のためい作ったキムチを異国のぼくのために届けてくれたその真心が貴い。 持ち重りのする荷物である。においがもれないように気を配り、日本についてからも発酵が進まないように工夫しながら届けなくてはならない苦労を思えばただただ頭が下がる。
おみやげとしてはかなりやっかいなシロモノである。
今回いただいたキムチはことのほか美味しかった。今朝の二度目のミーティングに先立ち心からの謝辞を述べた。
「いいなぁ。あんな美味しいキムチをいつも食べているなんて……」と言いかけてハタと気づいた。
そう、彼は生粋の韓国人ながら辛いものがからっきし苦手だったのだ。
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